マイホームの売却を検討している多くの方が気にするのは「いったいいくらで売れるのか?」という売却価格ではないでしょうか?
「うちの中古住宅、なるべく高く売りたい~!」と誰もがそう思いますよね。
そこで気になるのが、不動産査定は何を基準に価格を算出しているのか?という点です。
前回のコラムでは不動産売却をするにあたり、不動産の査定を行う必要があることをお伝えしました。
(前回記事:初めての不動産売却!抑えておきたい基礎知識)
今回は中古住宅の査定価格がどのように決まるのか、一般的な査定基準についてお伝えしていきたいと思います。
目次
1:中古住宅の査定価格の基準は?
中古住宅の一般的な査定として近隣物件の相場や類似物件の成約価格、物件自体の評価をして総合的に判断します。
ここでは中古住宅がいくらで売れるのかを左右する「査定ポイント」をお伝えします。
1.1:築年数
1つ目は築年数です。中古住宅が高く売れるかどうかの大きなポイントです。
多くの方がイメージできる通り、基本的には築年数が浅いほうが資産価値が高く、売却価格も高くなる傾向です。
国が定めている耐用年数は木造住宅で22年、鉄筋コンクリートで47年とされています。
そのため木造住宅の場合、築年数が20年を超えると資産価値はゼロとみなされます。
ただし、一定の耐震基準を満たすリフォームが行われた中古住宅であれば、査定評価はプラスになり、高く売れる可能性もあります。
傷んでいる家より綺麗な状態の家の方が評価額が高いのは明らかですが、キッチンが「システムキッチン」であったり、おふろに「追い焚き機能」や「浴室暖房乾燥機」などの設備がある場合など、内容によっては付加価値が上がっているとみなされ査定時に高く評価されることもあります。
生活動線や家事動線が便利であったり、収納が多いといった間取りは評価が上がる要素となります。
1.2:敷地・建物の広さ、形状
敷地・建物の広さ、形状も評価のポイントです。
「広い土地」と「大きな建物」は査定評価が高くなるというのはイメージしやすいかと思います。
では、形状とは…?
建物においては、形が特殊な建物は使い勝手が悪いとして評価が低くなる可能性があります。
土地に対しては、三角地(さんかくち)や旗竿地(はたざおち)のような不整形地の場合、使い勝手が悪いため正方形や長方形の整形地と比べると査定評価が低くなってしまいます。
1.3:道路
道路は敷地との接道状況がポイントです。
道路に面している方角が南向きの場合、日当たりがよく評価が上がります。
一方、敷地と接している道路の幅員が狭かったり大通りに面している場合は、車の駐車の難易度があがるため、査定評価が低くなる可能性があります。
1.4:周辺環境
周辺環境も査定ポイントの一つです。
駅からの距離や、近くに買い物ができる商業施設、病院や銀行があるかなど利便性が評価のポイントです。
ただし、周辺環境においてはそのエリアに住む人によって評価が変わってきます。
ファミリー層が多いエリアであれば学校や公園などが近いと評価は高く、単身層が多いエリアの場合はコンビニや飲食店の充実度が重要になります。
また、将来的に駅や商業施設を開発予定のあるエリアは人が集まる可能性が高いため、査定評価は高くなります。
1.5:瑕疵(かし)の有無
瑕疵とはあるべき品質を欠いている状態のことをいい、「物理的瑕疵」「法律的瑕疵」「心理的瑕疵」「環境的瑕疵」があります。
瑕疵があるかどうかは査定評価において重要なポイントです。
「中古住宅を売りたい」と考えたとき、住宅に瑕疵がないかを今一度確認しましょう。
物理的瑕疵:雨漏りやシロアリ被害など建物自体に何らかの欠陥があることを指します。
法律的瑕疵:法令上の制限や規制により自由に活用できないことを指します。主に「建築基準法」「都市計画法」の制限を受けている場合があります。
心理的瑕疵:自殺や殺人など嫌悪を感じるような出来事が過去にあり、住み心地に欠くことを指します。
環境的瑕疵:近隣建物からの騒音や異臭、日当たりに問題がある場合や近隣にごみ焼却所や火葬場など環境面から住み心地に欠陥があることを指します。
上記のような瑕疵がある物件は、査定評価が低く売却が難しい傾向にあります。
2:中古住宅売却のコツと注意点
ここまで、査定評価基準についてお伝えしてきましたが、ここからは中古住宅を売却するときに注意点とコツについてお伝えします。
2.1:リフォーム
査定基準のポイントをみて、「売却する前にリフォームしたほうがいいのかなぁ」と思われた方がいらっしゃると思いますが、基本的には売却を理由にリフォームの必要性は考えなくてもいいと思います。
高く売りたい場合には、雨漏りや傾きなどの修繕や水回りのリフォームをした方が買い手がつきやすいですが、リフォーム費用を考えると現況のまま売却しても手元に残る金額が変わらないということもあります。
また、内装のリフォームについては、自分好みにリフォームしたいという購入者が多いため、リフォームしてしまうことで買い手がつきにくくなる可能性もあるんです。
2.2:契約不適合責任
契約不適合責任とは購入した住宅の状態が契約した内容と異なっていた場合に、売主に問うことができる責任のことをいいます。
物件の状況が契約書と違う場合、買主は売主に対して損害賠償責任や代金減額の請求ができます。これは、物件の状況が契約書と違うことを売主が知っていても知らなくても請求ができる規定になっています。
そのため、売却する際には物件の状況をしっかり把握し、不動産業者を通して買主に正確に伝えるようにしましょう。
2.3:地元の不動産会社を選ぶ
中古住宅や土地を売ろうと思った際、会社の規模に関わらず、売却したい物件に近い不動産会社を選ぶことをおすすめします。
地元の不動産会社であれば相場やエリアの強みを把握していることや、売却実績も豊富なことから早期売却が期待できます。
3:まとめ
いかがでしたか?
今回は「うちの中古住宅、なるべく高く売りたい~!」と考えている方へ、不動産査定は何を基準に価格を算出しているのか?というポイントを中心にお伝えしました。
中古住宅の査定は、様々な要素を総合的に判断して査定評価額を算出します。
築年数は古いけど、しっかりリフォームしてあったり、リフォームしていない場合でも立地がよければ評価が高くなることもあります。
また、査定価格と実際の成約価格は異なることもあります。高額な査定価格が出たとしてもそれを理由に不動産会社を選ぶのは危険です。売却実績や担当者の知識や対応など確認してから判断することをおすすめします。